トンデモ本

 先日読んでいて酷く爆笑してしまった覚えのあるラノベ。題名は忘れてしまったんですけど、作中に出てくる女能力者が自分が追い詰められた折角のシリアスな場面でこんなことを言う。


「私はアポトーシスを起こす能力を持っている。残念だったわね」


 とか何とか。詳細な台詞は忘れてしまったけどそんな感じの言葉を。そして突発的に能力発動。
 女能力者を追い詰めていた男がいたんですが、そいつは女の台詞を聞いた瞬間に苦しみ始めてグギャーッ! ってな感じで即死亡みたいな流れでした。
 何かちょっと引き込まれかけていた思考が一瞬で冷えましたね、あれは。


 まあ百歩譲ってアポトーシスを引き起こす能力があったというのは良いんですけど、そこから先がいけない。大事なのは、アポトーシスを開始させる転写因子を活性化させてから、実際に細胞が死滅するまでにはタイムラグがあるということでして。
 だからあの場面では、女能力者は能力使い始めてから六時間ぐらい死ぬ気で男から逃げ回るのが正しい「アポトーシスを引き起こせる」能力者の姿ではないのかと愚考してみたりした水曜日の午後。


 今日はそんな日。