気がつけば三月

 隣市に移動の途中でバイクのバッテリーが干上がりました。しかも場所が国道。
 当然のごとく近くにバイク屋なんぞ無し。
 良く知りもしない土地で、エンジンがかからないという非常事態に陥り、へたれな私としては軽く絶望しかかりました。――が、そんなことも言っている暇も無かったので即座に復活して行動開始。
 知り合いに携帯で電話して充電してくれそうなバイク屋の所在を聞き、そこを目指して重量200キロ近い車体を手押しで進むデス・マーチを敢行したわけです。何というか気分は高校の持久走大会当日の嫌な部分だけ抽出したような雰囲気でした。
 アクセル捻れば直ぐに60キロ70キロ出す軽やかさとは裏腹に、うちの愛車君は非常に太っておりまして、下り坂なら何もしなくても自重だけで時速10キロぐらいは出るのですが、上り坂だとはっきり言って地獄以外の何者でもない。
 全力で押していると、ふくらはぎがパンパンになるわ、肩の筋肉がつりそうになるわ、息が切れるわで散々でした。しかもそれが1.5キロほど延々と続いたわけで。――多分、明日は筋肉痛確定かと思われます。
 何と言っても、歩き終わった後のポカリがやけに上手かったですから。






 まあ、電話してバイクを引取りに来てもらえば良かったことに気がついたのは、店に預け終わった後というのは秘密なわけですが。ていうか馬鹿だろ私。